2010年11月09日

新たな同性愛者リスト掲載 ウガンダの大衆紙

新たな同性愛者リスト掲載 ウガンダの大衆紙
2010年11月2日 MSN産経ニュース

 10月に同性愛者として男女100人の顔写真付きリストを掲載した東アフリカ・ウガンダの大衆紙「ローリング・ストーン」は1日、新たに同性愛者として複数の男女の顔写真と名前、住所を紙面に載せた。複数の海外メディアが報じた。

 ウガンダの同性愛者の権利擁護団体幹部によると、同国の裁判所は同紙の発行停止を命令した。

 ウガンダでは同性愛行為に対し罰則が設けられており、昨年10月には最高で死刑を科す厳罰化法案が議会に提出された。同紙がことし10月にリストを掲載した後、リストに載った数人が襲撃された。(共同)


ウガンダ大衆紙にまた同性愛者の「手配リスト」
2010年11月2日 CNN.co.jp

ウガンダ・カンパラ(CNN) アフリカ東部ウガンダの大衆紙「ローリングストーン」にこのほど、国内の同性愛者10人を名指しし、市民に警察への通報を呼び掛ける記事が掲載された。同紙は先月、同性愛者100人の写真入りリストを掲載して人権団体などから非難を浴びていた。

新たな記事には10人の住所や体格の詳細などが明記されている。同国では前回のリスト掲載後、名指しされた同性愛者少なくとも4人が襲撃を受けた。

同紙の編集者ジャイルズ・ムハメ氏(22)は、読者が同性愛者を直接襲撃するべきではないとしたうえで、リストに挙がった人物らは学校で子どもたちを「勧誘」していると主張。「記事で指摘することによって警察が捜査し、彼らを起訴して絞首刑にするだろうと考えた」と話す。

同国では昨年、同性愛行為を行った者に終身刑や死刑などの厳罰を科す法案が国会に提出された。提案者の議員は先週、CNNとのインタビューで、法案成立に改めて自信を示した。ムハメ氏は、同国が油田の掘削を進めて外国への依存度を低下させれば、法案も成立するだろうと話している。
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米国:同性愛者の入隊公認 「公言禁止」軍規定凍結 地裁違憲判決を受け

米国:同性愛者の入隊公認 「公言禁止」軍規定凍結 地裁違憲判決を受け
2010年10月20日 毎日jp

米国:同性愛者の入隊公認 「公言禁止」軍規定凍結 地裁違憲判決を受け

 【ワシントン小松健一】米国防総省は19日、同性愛者であることを公言して軍務に就くことを禁止した米軍規定を凍結し、同性愛者の入隊を認めることを決定したと発表し、全米の入隊を取り扱う事務所に同性愛者の応募を認めるよう通知した。

 カリフォルニア州ロサンゼルス連邦地裁が9月、同性愛者の入隊禁止規定について違憲判決を下し、今月12日に規定の即時運用停止を国防総省に命じたことを受けての措置。米軍が同性愛者の入隊を公然と許可するのは初めてだ。

 司法省は違憲判決について連邦高裁に控訴する方針で、控訴手続きまでの間、地裁命令の執行猶予を申し立てていたが、申し立ては19日、却下された。

 今後、上級審の判決次第で禁止規定が復活する可能性があり、米軍は同性愛者と公言する入隊希望者に「当面の措置」であることを伝えるという。

 ◇94年以降1万3500人除隊

 米軍では同性愛者の入隊が禁じられており、93年に同性愛者と公言しない限り、入隊を認める「聞かない、言わない」との黙認規定を導入。同性愛者であることが発覚すれば除隊処分となり、94年以降、1万3500人以上が除隊している。

 オバマ政権はこの規定を撤回し、同性愛者の入隊を無条件で認める方針を既に明らかにしている。ただ、国防総省の軍務規定見直しなどの手続きを経て慎重に実施したい構えで、禁止規定の即時撤廃を求める地裁命令は現場の混乱を招くと懸念していた。

 禁止規定凍結について、同性愛者の入隊支援団体は「司法判断が覆れば、除隊を強いられる恐れがある」と指摘し、現段階で同性愛者と公言して入隊しないよう呼びかけている。


同性愛者の入隊受け入れ指示=地裁違憲判決で米国防総省
2010年10月20日 時事ドットコム

【ワシントン時事】米国防総省は19日、カリフォルニア州の連邦地裁が同性愛者の軍務禁止規定を違憲として、執行停止を命じたことを受け、同性愛者を公言する入隊希望者を受け入れるよう新兵募集部門に指示したと明らかにした。同省が同性愛者の入隊を公然と容認するのは初めて。
 ゲーツ国防長官は部隊の規律への影響や戦地に混乱が生じないよう、司法判断による早急な解禁に反対。議会の審議を経た立法措置を求めている。ただ、地裁の命令を無視するわけにはいかず、受け入れに踏み切った。
 米政府は「禁止撤廃には準備期間が必要」として、上級審の結果が出るまでの間、命令を停止するよう連邦地裁に求めたが、同地裁のフィリップス判事は19日、政府の申し立てを却下した。ただ今後、上級審で地裁の判断が覆され、今回の受け入れ措置が停止される可能性もある。
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ノンフィクションW:性同一性障害の歌手に密着−−WOWOW

ノンフィクションW:性同一性障害の歌手に密着−−WOWOW
2010年11月6日 毎日jp

WOWOWは8日午後10時からの「ノンフィクションW」で、性同一性障害を抱えるメンバーで構成するユニットに密着した「Girls to Men〜俺(おれ)たち、女の子だった〜」を放送する。

 今冬CDデビューを果たすユニット「Girls to Men」のメンバーは、SAKUYA(21)、YUSHIN(24)、TOWA(25)、LEO(21)。4人は女性として生まれたが、男性として生きることを決意した。ユニット結成とともに「同じ境遇で苦しむ人たちの勇気になりたい」と、自らの過去を明らかにし、新たなスタートを切ることになったという。ホルモン療法や性別適合手術といった治療、戸籍変更など社会的な問題も浮き彫りにする。
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境界を生きる:続・性分化疾患/4 職場の無理解「心壊れそう」

境界を生きる:続・性分化疾患/4 職場の無理解「心壊れそう」
2010年11月4日 毎日jp

 ◇治療認められず退社/環境改善へ続く闘い

 出勤前、鏡の前でネクタイを締める。映っているのは自分であって、自分でない。思わず目を背ける。

 東京都に住むフリーターの圭さん(31)=仮名=はIT系専門学校で学んだ知識を生かし、8年前に都内のコンピューター会社に就職した。男性サラリーマンとして日々を送るうちに「本当の自分に近づきたい」との思いを抑えきれなくなり、入社3年目ごろから女性ホルモン剤を個人輸入して服用するようになった。

 振り返れば「なぜ女でないのか」との疑問は小学校のころから続いていた。体の成長とともに男女両方の特徴が表れ、同級生からひどい言葉のいじめを受けた。以来、人とあまり話さず、集団の中ではなるべく目立たぬようにしてきた。

 そんな気持ちを理解してくれる友人ができ、勧められたメンタルクリニックを受診すると、染色体検査で典型的な男性ではないことが分かった。「やはり完全な男ではなかったんだ」と安堵(あんど)し、医師に女性として生きたいと伝えた。

 9カ月後、病院での女性ホルモン補充治療が始まった。主治医からは「戸籍も変えるなら、女性としての生活実績を積まなければならない」と言われた。しかし職場では男性のまま。治療により「体の中を流れるものが男から女に変わった感覚」が生まれ、現実とのはざまで自分が壊れそうだった。苦しみが少しでも和らげばと、髪を肩まで伸ばした。

 ある日、本社の人事担当者から呼び出され「短髪にして膨らんだ胸もつぶさないと、仕事は与えられない」と注意を受けた。圭さんは診断名も治療内容もすべて明かし、ありのままの自分で働き続けたいと理解を求めた。会社の上層部で対応が協議され、数日後に告げられた結論は「女性の姿で働くことは、戸籍が女性になった時点で認める。それまでは一切、女性的なそぶりを見せず、常識ある一般的な男性でいること」というものだった。

 会社の方針に従えば主治医が求める「女性としての生活実績」は積めない。戸籍変更への道が断たれると、職場にはいられなくなる。相矛盾する要求に答えが見つからない。「辞めろと言っているのと同じじゃないか。我慢して男として働くしかないのか……」。眠れぬ夜を重ねたすえ、自主退職を申し出た。

 それから2年半。「もう一度定職に就きたい。でも、自分のような人間を認めてくれる会社があるとは思えない」。求職活動への一歩が踏み出せずにいる。

   *

 職場の廊下で、女性職員たちが自分のほうを見てうわさ話をしている。「あれが例の人でしょ?」。公務員として働く東京都の純さん(27)=仮名=は、そんな場面に出くわすたびに、いたたまれなくなる。

 純さんは染色体異常による性分化疾患。子宮も卵巣もあるため女性として育てられたが、スカートは一度もはいたことがない。大学生のころ、メンタルクリニックで「心の性別は男性」と診断され、男性ホルモンの補充を続けている。戸籍はまだ変えておらず、仕事上は女性だ。

 疾患のことは研修中に上司に説明したが、支給された制服は女性用。トイレは「制服時は女性用を」と指示され、人のいない時を見計らって使う。それでも外見が男性っぽくなっているので、守衛に通報されることがある。男女別の独身寮はあきらめ、自費でマンションを借りている。

 今春、同じ職場に性同一性障害と診断された同僚が配属された。それまで純さんは資材室の隅で着替えていたが、連名で改善を要望した結果、カーテンが付けられた。

 「職場も社会も、理解するどころか知ってさえくれない。今はまだ、自分の力で生きやすい環境を獲得していくしかない」。悔しさをこらえながらの闘いが続く。【丹野恒一】=つづく
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境界を生きる:続・性分化疾患/3 成人後、女性化「パパは女?」

境界を生きる:続・性分化疾患/3 成人後、女性化「パパは女?」
2010年11月3日 毎日jp

◇揺れる性別、「どう生きるか」模索

 「お父さん、本当は女なんでしょ?」。小学4年生の一人娘が無邪気に聞いてくる。感覚的に分かるのか。これ以上「パパ役」を演じ続けるのは無理なのだろうか。

 神奈川県に住むエンジニア(44)は6年前、思いがけず自分の疾患を知った。学生時代の持ち物を取りに実家に戻った日のこと。子どもができて自分自身が未熟児だったと思い出し、母に何気なく聞いてみた。「母子手帳、まだある?」

 母はうつむき「小さな体にメスを入れていいのか、すごく悩んだんだけど……」と小声で話し始めた。出産直後、医師に「お子さんには男女両方の特徴がある。どちらにもできますよ」と言われたという。「男がもてはやされる時代だったから、男の子にしてもらったの。女の子のほうが良かった?」。母子手帳は出てこず、母に促され実家を出た。

 暗い帰り道、涙をこらえきれず、川辺に長い間座り込んだ。

 思い当たることはいくつもあった。10代のころは筋肉質のスポーツマンだったのに、20歳過ぎから柔らかな体つきになった。性交渉は嫌いで、職場結婚した妻(39)とは子どもを作ろうとした時だけ。30代半ばからは胸が膨らんできた。「不思議な現象のかけらが一つにつながり、パズルが完成したようだった」が、喜べるはずもなかった。

 その日から周囲が違って見えるようになった。容姿、仕草、心。誰もが「男らしさ」「女らしさ」で輝いている。「こんな中間の人間は自分だけだ」と孤独感に襲われた。

 どんな疾患で、どんな手術を受けたのか。生まれた病院を訪ねても記録は残っていなかった。検査を受け、染色体が男性型であることは分かった。それ以上知るのは怖かった。

 救いは、妻があっさり受け入れてくれたことだった。「大丈夫。結婚前から男半分、女半分の人だと思っていたから」。自分は以前から家事が好きで、家族を引っ張るのは苦手。専業主婦の妻は冗談めかして「私が働こうか」と笑った。

 女性化が進んだためか、腕力が衰え、体が覚え込んでいた力仕事が難しくなってきた。迷惑をかけぬよう同僚には事情を説明し、理解してもらっている。

 女性的と言われるのが嫌だったのに、最近は「これは個性だ」と前向きにとらえている自分に気付く。「今の気持ちは男性と女性が半々。自分でも戸惑うことは多いけれど、本心を押し殺さず堂々と生きることが、いつか同じような人たちの力になると信じたい」

     *

 心の性別もはっきりしないことがある性分化疾患。男女に二分された社会の中で、悩み、迷いながら自分を見つける人たちがいる。

 「自分がえたいの知れないもののような気がした」。東京都の田中彩さん(24)は男の子であることに小学2年生のころから違和感があった。中学に入ると胸が膨らんだ。うれしさの一方、男を演じるつらさが募った。

 大学に入り、初めてメンタルクリニックを受診した。診断は心と体の性別が一致しない性同一性障害。さらに、男性的な発達が不十分で胸が膨らむこともある性分化疾患「クラインフェルター症候群」とも分かった。医師に「あなたは女性的な体なんだよ」と言われ、背負っていたものを下ろした思いがした。

 しかし、当事者の集いに参加しても、同じ診断を受けた人は見つからない。「どう生きていけばいいのか」。女性として暮らす決意をしたが、両親の理解は得られず、仕事のストレスも重なりうつ病になった。

 一度は職を失ったものの、今年9月、服飾関係の企業に障害者雇用枠で再就職を果たした。「男と女、どちらでもない中間から少しずつ女性の体に近づいていけるといい。生まれてきたからには、一生懸命生きる」【丹野恒一、五味香織】=つづく
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境界を生きる:続・性分化疾患/2 女子校進学後、戸籍「男」に

境界を生きる:続・性分化疾患/2 女子校進学後、戸籍「男」に
2010年11月2日 毎日jp

◇性別空欄で出生届/学校側は治療に難色

 この夏、東日本の高校1年、空さん(15)=仮名=は、ずっと気になっていた出生時のことを母に尋ねた。母はこう教えてくれた。

 「あなたが生まれてすぐ、お医者さんに『男の子にするより手術が簡単だから、女の子にしましょう』って勧められたの。でもお父さんとお母さんは悩んで『このまま育てて、本人に決めさせたい』ってお願いしたのよ」

 空さんの体には卵巣と精巣がある。染色体は女性型と男性型が混在する「XX/XYモザイク型」。外見で男か女かを判断できなかったため精密検査を受け判明した。両親は性別欄を空欄にしたまま出生届を出した。医師は顔をしかめたという。

 最初のハードルは幼稚園に入る時だった。制服を男女どちらかに決めなければならなかった。体が弱かったこともあり、両親はひとまず「女」を選んだ。

 空さんは自分が男女どちらかを意識することもなく伸び伸びと育った。周囲にすすめられるまま、親族が卒業した中高一貫の女子校に進学した。

 ところが入学1年目の宿泊行事でいきなり問題が起きた。大浴場で自分の体を見た同級生たちが騒ぎだしたのだ。他の人と一緒に入浴したのはこれが初めてだった。「本当は男なんじゃないの?」。その後もヒソヒソとうわさ話をされているような気がして、楽しかった学校が突然居づらい場所になった。

 「自分はみんなと違う」と気付いてから、次第に「自分を女とは思えない」という気持ちが強まった。中学2年のとき、母親に打ち明けた。突然のことに両親は戸惑ったが、生きづらさを覚悟のうえで性別を保留にしてきたのはこの日のためでもあった。わが子が「男」を選んだ決断に反対はしなかった。

 学校には入学前からこうなる可能性を説明していた。でも、いざとなると簡単ではなかった。「なぜこの学校に入ったのか」「お子さんの思い違いでは」。親子で呼び出されては、校長や理事長に厳しい質問を浴びせられた。

 話し合いを重ね、中学3年の春、通学を続けられることになった。両親は空さんの戸籍を男性と届け出た。

 そこから新たな問題が起きた。主治医に「すぐにでも男性ホルモンの補充を始めないと体に良くない。卵巣の摘出も急いだ方がいい」と言われたのだ。学校側に伝えると「あまり目立ってほしくない」と治療に難色を示された。8月からホルモン治療を始めたが、外見の変化を抑える程度にしているため、将来的に体に影響が出ないか不安だ。

 心の支えになっている言葉がある。中学で退学を考えた時、担任教諭がこう言って踏みとどまらせてくれた。「人にはそれぞれ個性がある。他の人が何と言おうと、ありのままのあなたで、この学校にいてほしい」

   *

 性分化疾患では性的な成長が進む思春期に深刻な苦しみを抱えることが多い。いじめを恐れながら学校に通い続ける精神的な負担は、並大抵ではない。

 「子どもたちの中に当事者がいることを認識してほしい」。奈良教職員組合は2月にセクシュアル・マイノリティーに関する教員向け冊子を作成した際、性分化疾患の説明を盛り込んだ。心と体の性別が一致しない「性同一性障害」は徐々に知られてきたが、性分化疾患は存在すら知らない教職員が多い。東優子・大阪府立大准教授(性科学)は「学校での対応を誤らないよう、教職員が正しい知識を持つことが必要だ。子どもたちにも『体の特徴は人それぞれ』と教えてほしい」と訴える。【丹野恒一】=つづく

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 ◇出生届の性別欄

 男女の見分けが難しい子が生まれた際、医師が拙速に性別判定する例が後を絶たない。法務省によると、届け出期限は原則、出生から14日以内だが、性別と名前は空欄でも出せる。性別は届け出後でも、診断書を提出して家庭裁判所に認められれば変更可能だ。
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境界を生きる:続・性分化疾患/1 手術3回、心と離れる体

境界を生きる:続・性分化疾患/1 手術3回、心と離れる体
2010年11月1日 毎日jp

 ◇本心、母に隠し続け/悩みに応える専門家必要

 深夜、井端美奈子・大阪府立大准教授(母性看護学)の携帯電話に性分化疾患の若者たちからメールが届く。

 <診察室では言えませんでした。今から電話していいですか>

 染色体やホルモンの異常で男女の区別が不明確な性分化疾患は、思春期のメンタルケアが不可欠だ。家族も含めた支援を始めて3年。電話は時に2時間にも及ぶ。

 今年最も心配したのは先天性副腎過形成の10代の少女だった。出生時に外性器が男性化していて手術を受けた。中学生になっても月経がないことなどを悩み、不登校に。その後彼氏ができて体が女性的でないと指摘されたのが心の傷となり、乳児期の手術を隠していた親へのうらみも重なってリストカットを繰り返していた。

 悩みを知った井端さんは泌尿器科医に伝え、不完全な外性器をさらに女性らしくする手術が実施された。少女からその後届いたメールには、こうあった。<やっと普通の女性と同じスタートラインに立てました>

 井端さんは「しっかり悩みを受け止められる専門家をもっと養成しなければ」と話す。親にも言えず悩みを抱えこんでいる若い患者は少なくない。

     *

 中国地方のグループホームで働くあかねさん(21)=仮名=には幼いころから「飲まないと死んでしまう」と言われてきた薬がある。親に隠れて服用をやめたのは高校に入ったころ。「これで死ねると思った。手首を切る勇気はなかったから」

 あかねさんも生後間もなく先天性副腎過形成と診断された。1歳半と6歳で性器を女性化する手術を受け、ホルモンの分泌を調節する薬で男性化を抑えてきた。しかし中学2年のとき、女の子を好きになって悩み始めた。女子トイレに入るたびに、罪を犯しているような感覚に襲われた。

 そのころまだ、母栄子さん(54)=同=はわが子の本心に気づいていなかった。

 不妊治療がうまくいかず、結婚7年目にようやく授かった命。胸に抱いて感謝の気持ちに包まれたのもつかの間、別室に連れて行かれた。「女の子ですか?」と尋ねても「後で分かります」としか言われなかった。

 病気の説明を受けた栄子さんは医師に「早めなら小さな手術で済む」と勧められ、従った。だがあかねさんの心は成長とともに、選んだ治療とは反対の性へ向かった。

 最後の手術は高校3年の夏休み。前回に形成した膣(ちつ)を広げた。あかねさんは「無理やり女にされてしまえばあきらめがつく」とも思ったが、手術後、体と心の痛みで涙が止まらなかった。

 そして昨夏、ささいな親子げんかがきっかけで、泣きながら告白した。「一生言わないつもりだったけど……」。今から男になりたいと言えば、母が苦しむと思ってきた。その思いを知った栄子さんは現実から逃げない覚悟を決めた。

 心と体の性別が一致しない性同一性障害の医療で有名な岡山大を受診した。医師に「(女性化手術を)なぜ嫌だって言わなかったの?」と言われ、あかねさんは返す言葉がなかった。

 男性として生きることを目指し、わが子が新たな治療に踏み出した日。栄子さんはブログに思いをつづった。

 <私は産んだときからずっと幸せ。だから、生まれたときからあなたも幸せになってもらいたくてね。つらいことにも意味がある。あなたのものさしで幸せになってほしい>【丹野恒一】=つづく

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 ◇先天性副腎過形成

 男性ホルモンが過剰に分泌する疾患で、約1万8000人に1人の割合で起きるとされる。女性として生まれた場合、性器が男性化したり、性格が男っぽくなる人もいる。海外では女性として生きている人の約5%が性別への違和感を持っているとの研究報告もある。
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岡山大、性疾患の診療拠点設置 病院で全国初

岡山大、性疾患の診療拠点設置 病院で全国初
2010年10月23日 47news

 心と体の性が一致しない性同一性障害など、性に関する疾患の診療や患者の生活支援に総合的に取り組むため、岡山大病院(岡山市)が院内に「ジェンダーセンター」を設置したことが23日、分かった。

 厚生労働省は「医療機関がこうした組織を設置した例は聞いたことがない」としている。

 岡山大病院は、性同一性障害の性別適合手術を約320例実施しており、国内有数の実績を持つ。センター長の難波祐三郎准教授(形成外科)は「手術だけでなくメンタルケアまで含めた性に関する拠点病院として、患者のよりどころになれれば」と話している。

 センターは岡山大病院などの医師約20人で構成し、施設は院内の病棟を利用。性同一性障害のほか、身体的に男女の判別が難しい半陰陽や、生殖器の先天異常が対象だ。

 精神科がカウンセリングをし、産婦人科と泌尿器科で生物学的な性を判定してホルモン治療を実施。その後、形成外科などが性別適合手術や性器再建を担当する。
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