2008年02月20日

最近のGIDニュース

性同一性障害:「子なし要件」全廃を 当事者ら、24日に
フォーラム−−生駒 /奈良


◇戸籍の性別変更を容易に、特例法改正目指す

 性同一性障害(GID)の人が戸籍の性別を変えやすくする
活動の輪を広げようと、フォーラム「性同一性障害特例法の改正
を求めて」が24日午後2時、生駒市元町1の市コミュニティー
センターで開かれる。GIDの当事者で同市在住の会社員、森村
さやかさん(47)=通称=らが主催する。森村さんが自分の
体験や、子どもがいないことを性別変更の要件とする性同一性
障害者性別取扱特例法の「子なし要件」全廃への思いを語る。
【高瀬浩平】

 生駒市議会が昨年12月、特例法の見直しを国に求める意見書
を可決したのをきっかけに、市内でフォーラムを開くことに
なった。市民に理解を深めてもらうとともに、国会議員らに支援を
呼び掛ける考え。

 フォーラムでは小笹浩樹・生駒市議が意見書を可決させるまで
の経緯を説明。性同一性障害と法律の関係に詳しい大島俊之・
九州国際大教授(民法)が、「子なし要件」の問題点を解説する。

 特例法が成立した時も、地方議会から活動の輪が広がった。
森村さんは「法律改正の足掛かりにしたい」と意気込んでいる。
2008/2/19 毎日新聞

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性同一性障害者の保険証

●生活実態で性別表記を●

 心と体の性別が一致しない性同一性障害(GID)の人たち
にとって暮らしやすい社会の実現に向けたフォーラムが16日、
松江市内で開かれた。GIDの上田地優(ち・ひろ)さん(49)
が国民健康保険証に「女」と表記するよう求めている問題を
めぐり、法律専門家、議員らが考えを発表し合った。保険証や
パスポートには生活実態に合った性別表記が必要、との意見が
相次いだ。

□松江でフォーラム法律家らが意見

 上田さんが代表の「性同一性障害を知る会『紫の風』」が主催した。

 04年7月に「性同一性障害特例法」が施行され、性別適合
(性転換)手術など医学的、法的な要件を満たせば、戸籍上の
性別変更が認められるようになった。上田さんは手術をしてい
ないため、保険証に男と表記され、使いづらいと訴えてきた。
一方、保険証を発行する松江市は「『戸籍上の性別を記載す
べきだ』とする厚生労働省の見解と異なる対応はできない」
との姿勢だ。

 フォーラムでは冒頭、同市の松浦正敬市長があいさつ。5日に
厚労省を訪ねて上田さんの窮状を伝え、見解の見直しを求めた
ことを明らかにし「制度的なバリアの解決を進めたい」と述べた。

 さらにGIDをめぐる法律問題に詳しい大島俊之・九州国際
大法学部教授が講演し、戸籍と一致しない性別をパスポートに
表記することを認めているオーストラリアの例を紹介。「日本
では、性別と外見が異なる性同一性障害者はトラブルを負う。
放置しているのは行政の怠慢だ」と批判した。

 上田さんは「保険証の性別表記に苦労している性同一性障害
者は、私だけではない」と指摘。「あるがままに、自信を持って
生きられるよう救済を」と訴えた。

写真=フォーラムで発言する上田地優さん。
右は大島俊之教授=松江市白潟本町の市民活動センターで
2008/2/18 朝日新聞

フォーラム:性同一性障害を知ってください 特例法改正を訴え、
松江で16日 /島根


 性同一性障害について考えるフォーラム「性同一性障害を知って
ください」が16日、松江市白潟本町の松江市市民活動センターで
開かれる。「性同一性障害を知る会『紫の風』」が主催する。

 性同一性障害とは、身体と心の性が一致しない障害。数万人に
1人の割合でいるとされるが、明確な原因はわかっていない。
「紫の風」は当事者と支援者からなる市民グループで、性同一
性障害についての啓発や支援活動などを行っている。

 紫の風代表の上田地優さん=松江市=は性同一性障害と診断
されたが性適合手術を受けておらず、戸籍上は男性のまま。
性同一性障害特例法では、性別表記の変更のためには性別適合
手術など一定の条件を満たすことが必要としている。だが実際
は特例法の規定する要件を満たせないために性別表記の変更が
できずに苦しんでいる当事者も多く、上田さんは特例法の全面
見直しなどを訴えて活動している。

 フォーラムでは、上田さんが自身の体験を通して障害を取り
巻く現状を報告。弁護士で九州国際大教授の大島俊之氏、
松江市議会議員の基調講演もある。

 参加費は資料代込みで1000円。午後1時半開演。問い
合わせは「紫の風」(080・3497・2455)。【細川貴代】
2008/2/14 毎日新聞
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2008年02月24日

最近のニュース

しまね拡大鏡:性同一性障害 松江在住の上田さん、実名公表して
2年 /島根


◇少しずつ理解広まる

 体の性と、本人の自覚する心の性との不一致に悩む障害「性同一
性障害(GID)」。GIDと診断され、現在は女性として生きる
松江市在住の上田地優さん(49)が実名を公表して約2年になる。
県議会、松江市議会では上田さんの性同一性障害に関する請願・
陳情が採択され、上田さんの存在を知った市民が支援を始める
など、GIDへの社会的な認知と理解が少しずつ広まりつつある。
【細川貴代】

 ◇暮らしやすい社会実現へ支援を

 上田さんは外見は女性だが、戸籍上は男性。物心付いた時から
「男」として生きることに違和感を覚えてきた。GIDの存在を
新聞記事で知ったのは、鳥取県米子市に住んでいた約5年前。
「もしかしたら自分もそうかもしれない」。約2年前に松江市に
帰郷、同市立病院精神神経科でGIDの診断を受けた。

 「これが私なんだ。もっと早くわかっていれば……」。診断を
受けて以降、当事者として課題を社会に訴えていく役目を感じる
ようになった。07年3月には松江家庭裁判所で改名も認めら
れた。

 07年2月には「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する
法律」(特例法)の改正を求める請願を県議会に提案、3月に
採択された。同年4月には当事者と支援者でつくるグループ
「紫の風」を結成。講演や要望活動を通じて当事者の暮らしやす
い社会の実現を目指して活動する。

 戸籍上の性別の変更について定める法律には、04年に施行
された「特例法」がある。だが同法では、戸籍の性別変更を行う
には原則として性別適合手術が必要。手術は高額で、手術を受け
られないために性別変更できない当事者は多いという。

 一方、戸籍の性別変更ができないために、保険証やパスポート
も元の性別のままで変更できず、社会生活に支障を感じている
当事者は多い。今月16日には松江市内でフォーラム「性同一
性障害を知ってください」が開かれ、上田さんが現状を報告。
GIDに詳しい弁護士の大島俊之・九州国際大教授も「戸籍上の
性別表記は変更せずとも、住民票、パスポートなどの性別表記の
変更を許可する道を開くべき」と訴えた。

 理解者は徐々に増えた。みな時間をかけて理解を深めているよう
だ。活動を支える小沢秀多県議(自民党議員連盟)は「最初は
違和感があったけど、上田さんと会って話を聞いた時、ああ
私たちと同じだと思った」と話す。角智子県議(民主県民クラブ)
も「最初は戸惑ったけどすぐ理解できた」と話す。

 「紫の風」代表補佐の松江市の自営業、渡部通恵さん(57)
は上田さんの講演を聞いて支援者となった。「上田さんに出会う
と『そういうこともあるだろうな』と思えた。結局、ジェンダーと
同じ。新しい人権の切り口だとも思う」と話した。

 上田さんの元には同じGIDに悩む県内の人たちからの相談が
寄せられている。より良い社会生活をおくるため、上田さんは
相談者にまず医療機関への受診をすすめている。

 松江市立病院精神神経科では近年、GIDの受診者が増えた。
同科長の大竹徹医師は「GIDの人たちは誰にも言えないような
苦痛を多く味わって生きている。精神科ではそれを和らげ、どう
生きやすくしていくか一緒に考えていく。まず受診してほしい」
と話す。
2008/2/21 毎日新聞

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【法廷から】性同一性障害の被告、働き口も見つからず

(1)

 他人名義の保険証を使って携帯電話を入手しようとしたとして、
詐欺未遂罪などに問われた女性被告(34)の初公判を19日、
東京地裁で傍聴した。感じたのは、性的マイノリティーが生きて
いくことの困難さだ。

 丸刈りの被告は、車イスに乗って入廷した。

 起訴状によると、被告は平成19年12月15日、東京都文京区
の携帯電話販売店で、他人名義の保険証を使って携帯電話をだまし
取ろうとした。

 罪状認否で被告は「後で住所変更して支払うつもりだった」と
述べたが、起訴事実を認めた。

 検察側の冒頭陳述によると、被告は闇の仕事サイトで知り合った
中国人から、他人名義の保険証とガス料金の領収書を入手していた。

 弁護人「小さいころから活発で明るくて(サッカーの)実業団
に入るほどの実力があり、オリンピックも狙えた。そんな被告が
なぜ事件を起こしたと思いますか?」

 情状証人として証言台に立った被告のいとこの男性は、意外
なことを口にした。

 証人「性同一性障害が重いものだったのかな」

 性同一性障害のために、被告は仕事を探すのも難しかったという。

 弁護人「仕事が決まらないのは、性同一性障害で、体は女、
心は男で、制服を着る仕事ができないから?」

 被告「はい」

 家族との確執も背景にあったようだ。

 弁護人「(被告の)両親との関係はどうでしたか?」

 証人「決してうまくいっていない。父が突き放していた。
性同一性障害への理解がなかった」

 被告は25歳の時に実家を追い出されている。

 弁護人「あなたと両親がうまくいってないのはなぜ?」

 被告「親の子供にかける期待。上の姉はモデルをやっていて
女の子らしかった。自分は運動はできたけど…」

(2)

 被告は頸椎を痛め、サッカーを続けられなくなったという。

 被告「サッカーの時は髪を短くしてもズボンをはいても周囲が
不審に思わなかった。仕事を転々として、偏見があったりもして、
現実から逃げなきゃいけなかった」

 被告の今後について、証人は支援することを約束した。

 弁護人「いずれ被告は社会に出る機会があるが、協力しますか?」

 証人「(かつて住んでいた)部屋はそのままにしてある。
ハンディがあるから仕事は難しい。できれば、うちの会社の試験
を受けてほしい」

 続いて弁護人は被告に問うた。

 弁護人「横で聞いていてどう思った?」

 被告「正直、すべてを知った上でそれでもまだ自分を見捨て
ないで、手を差し伸べてくれる人がいることをありがたく
思いました」

 涙声だった。

 弁護人「最初の接見で『死にたい』『どうでもいい』と言って
いたね。すべてを知った上で見捨てない人がいる。本当にこういう
ことをしてはダメだと思った?」

 被告「はい」

 性同一性障害による差別。両親との確執。ケガで絶たれた
サッカーの夢。そんないくつかの不幸が重なって、被告は困難な
人生を送らざるを得なくなった。不幸が犯罪を正当化するわけで
はない。だが、社会の側が性同一性障害の現実をもう少し知ら
なければならないのではなかろうか。

 最後に被告は言った。

 「性同一性障害をかかえて生きていくには、まだまだ一杯
つらいことがあるが、生きていきたい」

 検察側は懲役2年を求刑。判決は29日に言い渡される。
2008/2/21 産経新聞
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2008年04月04日

最近のニュース

「男性」が妊娠6カ月 性別適合手術受けた元女性 米オレゴン

 【ポートランド3日枝川敏実】女性から男性への性別適合手術を受けた米国オレゴン州在住のトーマス・ビーティーさん(34)が三日、妊娠六カ月であるとテレビで公表し、全米で話題となっている。米国で論争となってきた同性結婚や生命倫理の問題に、影響を及ぼす可能性がある。

 地元紙などによると、ビーティーさんはハワイ州出身。女性として生まれたが、性同一性障害に苦しんできた。十年前に乳腺除去やホルモン注射などの性別適合手術を受け、その後、女性と結婚。二人は二年前に転居したオレゴン州で、人工授精で子供を授かろうと決心した。女性が過去に子宮の病気を患っていたことから、ビーティーさんが代理母となった。子宮などは残していた。

 ビーティーさんは三日放映の人気トーク番組「オプラ・ウィンフリー・ショー」に出演。七月に出産予定であることを明らかにし、「子供を持ちたいという思いに男も女もない」と語った。ロイター通信によると、地元の産婦人科医も、ビーティーさんの妊娠を認めている。

 米国では、結婚をめぐる法制度は州によって異なる。ビーティーさんによると、自身が男性として結婚したことは公式に認められているという。事実なら、法の上では男性が出産することになり、米メディアは、宗教右派などからの反発が強まる可能性を指摘している。
2008/4/4 北海道新聞

えっ!男が妊娠、妻の代わりに出産!?

【ニューヨーク29日=鹿目直子通信員】性別適合手術を経て女性から男性になったオレゴン州のトーマス・ビーティー氏(34)が妊娠し、7月に女児を出産するとして、海外メディアが騒然としている。ビーティー氏はゲイ雑誌「アドボケイト」に上半身ヌードの妊娠写真を発表。米人気トーク番組「オプラ・ウィンフリー・ショー」の収録も終え「私だって人間だから、子を持つ権利がある」と語ったという。

 あごひげを蓄えた顔。平らな胸。その下にふくらんだおなか。アドボケイト誌に掲載されたビーティー氏の半裸ヌードは、先週撮影された妊娠約6カ月時の写真で、出産予定日は7月3日だという。同氏は「赤ちゃんは合併症もなく、健康だ。私たち夫婦は楽しみに出産日を待っている」と同誌で明かした。ニュースを受け、30日付の英サンデーエクスプレス紙は「英国でも9年前に男性が出産していた」と報道。イスラム系メディアなども電子版で取り上げるなど、世界のメディアが取り上げ、議論もわき起こっている。

 アドボケイト誌によると、ビーティー氏はハワイ出身。出生時はトレーシー・ラゴンディノという女性だった。現在の妻ナンシー・ロバーツ氏と交際を始めたのが約10年前。乳房は手術で除去し、男性ホルモン注射などを受け、「法的にも男性になり、結婚も公式に認められた夫婦」(ビーティー氏)となり、同性愛者の人権運動に参加していた。子どもは作りたかったが、妻のナンシー氏は約20年前に重い子宮内膜症で子宮を摘出しており、妊娠は夢でしかなかったという。

 しかし、2年前のオレゴン州移住を機会に、子宮と卵巣を残していたビーティー氏が「自分が私たち夫婦の代理母になればいい」と、妊娠を決心。2カ月に1度の男性ホルモン注射をやめたところ、4カ月で8年ぶりの生理が始まり、精子バンクの精子で人工授精を行ったという。1回目は3つ子を子宮外妊娠で流産してしまったとも告白。今回が2度目の妊娠だといい「私がお父さんで妻がお母さん。娘と3人で家族になるんだ」と話している。

 夫妻の「挑戦」は風当たりも強い。家族も友人も非協力的で、今回の妊娠までに治療を依頼し断られるなど関係した医師は9人に上る。宗教上の理由などから、夫妻に反発する声も届いているといい、夫妻は現在自宅を離れ、故郷のハワイに滞在中という。一方、近隣住民の一部からは「数日前にビーティー氏を見たが、おなかは大きくなかった。ヤラセではないか」などの声も挙がっている。
2008/3/31 日刊スポーツ

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性同一性障害 一人で悩む姿浮き彫り 岡山大の中塚教授ら調査
日常、特徴的サイン 早い段階での支援重要


 肉体的な性別と心の性別が一致しない性同一性障害の当事者たちは子どものころ、性別に違和感を覚えながらも一人で悩んでいる実態が、岡山大医学部保健学科の中塚幹也教授らの調査で分かった。日常生活では特徴的なサインを出していることも分かり、中塚教授らは学校など周囲が早い段階で気付き、支援することが重要としている。

 調査は、同学科4年の藤井友紀さん(22)とともに、同大病院を受診した「体は男性で心は女性」の当事者32人(20―57歳)にアンケート。幼児期から思春期のころ、性同一性障害に関する知識をどう知り、どんな遊び方や服装、言葉遣いをしていたかなど、74項目を尋ねた。

 「性同一性障害をどこで知ったか」の質問(複数回答)ではインターネット、テレビ、新聞などの順で多く、「教師から」「家族から」はともにゼロだった。

 「家族以外で悩みを話せる相手がいなかった」と27人(84%)が回答し、19人(59%)が「恥ずかしさや勇気がなくて、周囲に早く伝えられなかったことを後悔している」とした。

 外見は男性だが内面は女性のため、普段の生活面では、男性物の服を着ることに抵抗感を持った(28人、87%)▽着せ替え人形やままごとで遊ぶ(26人、81%)▽自分を「わたし」と呼ぶ(23人、71%)▽化粧したりアクセサリーを身に付けたりして遊ぶ(22人、68%)―などの傾向が顕著だった。

 中塚教授は、早期の支援により、性同一性障害の自覚がなく自分が何者か分からない苦しみも和らぐと強調。「ただ、サインがあるからといって、すぐ当事者と決めつけるのではなく、正しい知識を身に付けた上で接してほしい」と話している。
2008/3/23 山陽新聞
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2008年04月07日

性同一性障害の戸籍性別変更、「子供なし」要件見直しへ

「パパは女・ママは男」OK 性同一性障害巡り法改正へ

 心と体の性が一致しない人が戸籍上の性別を変えられる「性同一性障害特例法」をめぐり、与党は、子どもがいる場合は性別を変更できない「子なし要件」を緩和する改正案を参院に提出する方針を決めた。子どもが成人したのを条件に「女性の父」「男性の母」が認められることになる。

 民主党も同様の検討をしており、与野党間の調整がつけば、今国会中に超党派の議員立法で改正される見通しだ。

 性同一性障害者は、外見と戸籍の性別が異なることから、正社員として就職できなかったり、パスポート申請で問題になったり、様々な不利益が指摘されてきた。このため、04年7月に施行された特例法により、家裁の審判を経れば戸籍の性別を変えられるようになった。

 しかし、現行法では、子どもがいる場合は、「性別を変えると、混乱する」などとして、家裁で審判を受けられない。当事者には、当初から改善を求める声が強かったうえ、付則で施行3年後の見直しが定められていた。このため与党は、要件を「現に成人していない子がいないこと」と改正する方針で、子どもの成人を条件に、「子なし要件」を緩和する。子どもの年齢にかかわらず、撤廃を検討している民主党も与党との調整に応じる見通しだ。

 同様の特例法は、多くの欧米諸国で整備されているが、「子なし要件」があるのは、日本のみだという。この問題に詳しい大島俊之・九州国際大教授(民法)は「子どもはすでに、親の姿が変わるのを見てきている。戸籍の届け出が変わることで混乱するとは思えない」と指摘する。

 一方、法務省などは「法改正されれば『女である父』や『男である母』が初めて出現する。こうした新しい事態が果たして社会的に受け入れられるのか。家族秩序に混乱が生じる可能性があるのではないか」などと懸念を示す。(市川美亜子)
2008/4/8 朝日新聞


性同一性障害の戸籍性別変更、「子供なし」要件見直しへ

 性同一性障害者に戸籍上の性別変更を認める性同一性障害者性別特例法が、性別変更の要件の一つに「子がいないこと」を掲げていることについて、与党は5日、これを緩和する方針を固めた。

 民主党も同様の方針を示しており、与野党の調整がつけば、超党派で同法の改正案を今国会にも提出、成立が図られる見通しとなった。

 同法は性同一性障害の社会的認知の高まりを受け、2003年7月に超党派の議員立法で成立した。この際、「『女である父』や『男である母』の出現で家族秩序に混乱が生じ、子どもの福祉の観点からも問題」などの意見があり、「子がいないこと」が要件に入れられた。

 しかし、性同一性障害者らは、「戸籍の変更を申し立てる人は通常、性転換手術を終えており、戸籍上の性が変更されても子どもの福祉などに影響はない」として、この要件の削除を主張。同法が04年7月の施行から3年をめどに、戸籍上の性別を変更できる性同一性障害者の範囲などを検討することを定めていることから、与党は要件の見直しを進めていた。
2008/4/6 読売新聞
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2008年04月30日

GID特例法子なし要件緩和について

戸籍の性別変更 子なし要件緩和 自民部会が改正案了承

自民党法務部会は24日、心と体の性が一致しない性同一性障害者の戸籍の性別を変更できる特例法に関し、子供がいる場合は性別を変更できない「子なし要件」を緩和する改正案を了承した。子供が成人していることを条件に「女である父」や「男である母」を容認する。

 公明党も了承する見通し。一方、民主党は子供に関する要件を全面的に削除する改正案をまとめている。自民党は野党側と協議し、超党派の改正案を提出する考えで、今国会で成立する可能性が出てきた。自民党の倉田雅年法務部会長は記者団に「民主党にも理解を得られるよう努力したい」と強調した。

 同法は性同一性障害に対する認知が高まったことを受け、平成15年7月、超党派の議員立法で成立した。

 子供がいる場合は「家庭を混乱させる恐れがある」などの慎重意見があったことに配慮し「子どもがいないこと」が要件に入れられていた。性同一性障害者は当初からこの要件の削除を要望していた。同法が16年7月の施行から3年後の見直しを定めていたこともあり、自民党は現行法の見直し作業を進めていた。
2008/4/25 産経新聞

性同一性障害、「子が成人」で性別変更容認・与党が改正案

 心と体の性が一致しない性同一性障害者の戸籍の性別を変更できる特例法に関し、与党は24日、改正案をまとめた。現行法は「子どもがいないこと」を性別変更の条件の1つと規定しているが、「未成年の子どもがいないこと」に緩和する。改正案が成立すれば、「女性の父」や「男性の母」が法的に認められることになる。

 自民党は同日の法務部会で改正案を了承。与党は超党派での議員立法による今国会提出を目指し、民主党に協議を呼びかける。

 特例法は性同一性障害に対する認知が高まったことを受け、2003年に超党派の議員立法で成立した。戸籍と実生活での性が違うことを理由に、公的な手続きや就職などで被っていた社会生活上の不利益を解消することが目的。家庭裁判所に審判を請求し、認められれば戸籍の性別を変更できると規定している。
2008/4/24 日経新聞

性同一性障害:性別変更の要件緩和へ 自民が特例法改正案

 心と体の性が一致しない性同一性障害者が戸籍上の性を変えられる「性同一性障害者特例法」について、自民党法務部会は24日、子どもがいる場合は性別変更を認めない要件を緩和する改正案をまとめた。「未成年の子がいない」場合、変更を認める内容。今後、「子なし要件」を撤廃させる方針の民主党と協議し、一本化した上で成立をめざす。
2008/4/24 毎日新聞

性別変更で「子なし要件」緩和 自民改正案、成人が条件

 自民党は24日、性同一性障害者の戸籍の性別を変更できる特例法に関し、子どもがいる場合は性別を変更できない現行法の「子なし要件」を緩和する改正案を了承した。子どもが成人していることを条件に「女である父」や「男である母」を容認。民主党は、子どもの年齢に関係なく同要件の全面的削除を検討中。今後、与野党間で調整がつけば、超党派で改正案が今国会にも提出、成立が図られる見通し。
2008/4/24 共同通信

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ニュースUP:性同一性障害、性別変更の要件=奈良支局・高瀬浩平

◇子どもいても認めて
 心と体の性別が一致せずに悩む性同一性障害(GID)の人が、戸籍の性別を変える手続きを定めた性同一性障害者性別取扱特例法(GID特例法)の改正に向けた動きが加速している。焦点は現行法が性別変更の要件としている「子なし要件」撤廃だ。法改正への動きを熱く見つめるGID当事者の会社員、森村さやかさん(47)=通称、奈良県生駒市=にとって、現行法成立後の約5年間は、当事者として、親として、自問自答を繰り返した日々だった。

 「子どもに影響が出るのが怖い。一切の縁を切りたい」。森村さんがGIDと診断された後、既に離婚して子どもの親権を譲っていた元妻はそう切り出した。

 「パパ、今度はいつ会えるの?」

 森村さんは今年3月、東京の参議院議員会館で開かれた民主党の特例法見直し検討チームの会合で、約7年前に子どもと最後に会った場面を語った。ビーズのブレスレットをかざしながら、「これは子どもがお手洗いに行く時に、パパ、預かっててと言われた物です。まだ返せずにいます」と話し、ハンカチで涙をぬぐった。会えない子どもに、今も月5万円の養育費を送り続けている。

 私が森村さんを知ったのは06年11月。奈良家裁に戸籍の性別変更を申し立てた森村さんを取材したのがきっかけだ。その時はGIDとは何か、まったく分からなかった。「知りたい」という一心で、時間をかけて森村さんに話を聞くようになった。

 森村さんは男性として生まれたが、幼いころから、姉の服をこっそり着たり、化粧をしたりしていた。小学生の時には「おかま」といじめられた。中学校に入ると、服を脱がされるなど性的嫌がらせも受けた。教師からは「男らしくしなさい」と説教された。

 「自分がおかしいからいけないんだ」。森村さんは自らを責め続けた。「男らしくなれるかもしれない」と、高校では応援団に所属した。結婚して子どもも1人できたが、「あのころは、男性としての役割を果たそうと一生懸命だった」。06年1月に性別適合手術を受けた。

 特例法については当事者にも賛否両論あり、森村さんも迷った。子どもがいる森村さんは、特例法の対象外だ。当事者の親友から「今この船(法律)を出さないと、次の船(法律)は出ないよ」と説得された。法案には施行から3年後の見直し条項が付いたこともあり、涙をのんで賛成した。

 法が成立した日、喜びに沸く当事者たちを尻目に、森村さんは「子どものいる当事者を裏切ってしまった」と複雑な心境だった。記者会見に出席し、「この法律は私たちが待ち望んでやっと生まれた『子ども』です。『立派な人』として歩ける法律にしていきたい」と話した。この時、「子なし要件の全廃を目指そう」と決意した。

 「子なし要件」が盛り込まれたのは、「女性の父」や「男性の母」が生じ、子どもが混乱し、差別やいじめを受ける恐れがあるというのが理由だ。

 性的マイノリティー(少数派)に対する偏見は根深い。与野党の国会議員に陳情し、フォーラムを開くなど、「子なし要件」撤廃を訴える運動に取り組む森村さんは、インターネットでバッシングされるようになった。「子どもをつくることができた人なんてGIDじゃない」「ニセモノ」と容赦ない中傷が飛び交い、精神科医に一時、適応障害と診断されるまで追い込まれた。

 特例法の改正を巡り、与党にも「子なし要件」を、「未成年の子どもがいない」に緩和しようとする動きがある。民主党内には「子なし要件」を削除しようという議論もある。森村さんは特例法成立によって、子どもがいる、いないで、当事者が分断されたことを心苦しく思っている。「『子どもが成人』の要件を入れると、当事者を分断する歴史が繰り返される。きれいな形で子なし要件がなくなるように働き掛けたい」

 当事者団体などの調べでは、07年12月末までに840人が特例法で戸籍の性別変更を認められた。その一方で、取材のきっかけになった森村さんの申し立ては、「子なし要件」は違憲だと主張して最高裁まで争ったが、棄却された。

 森村さんたちが開いたフォーラムに参院議員が傍聴に訪れ、地元・生駒市の議会が「子なし要件」削除を求める意見書を昨年12月可決するなど、支援の輪は少しずつだが確実に広がっている。取材をするうちに、私は次第に、当事者が少しでも生活しやすいよう、戸籍の性別を本人が望むように変えられないかと思うようになった。特例法改正の動きが具体化している今、マイノリティーの中にいる更なるマイノリティーとも言える森村さんたち特例法から置き去りにされた人たちが振り絞る声に耳を傾けてほしい。

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 ◇性同一性障害者性別取扱特例法(GID特例法)
 性同一性障害(GID)であると医師に診断された人について、20歳以上である▽現在結婚していない▽子どもがいない▽性別適合手術を受けた−−という要件すべてを満たせば、家庭裁判所が戸籍の性別変更を認めることを定めた法律。当事者の強い要望を受け、03年7月に超党派の議員立法で成立した。
2008/4/23 毎日新聞・大阪朝刊

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性同一性障害、延べ7177人受診 日本初の全国統計

 心と身体の性が一致せず苦悩する「性同一性障害(GID)」で医師の診察を受けた人が、全国の主要専門医療機関で二〇〇七年末現在、延べ七千百七十七人に上ることが二十一日、日本精神神経学会・性同一性障害に関する委員会(中島豊爾委員長)の調査速報値で分かった。日本初のGID患者の全国統計。調査結果は、診断と治療のガイドライン作成から十一年を迎える医療現場の検証や、行政の施策などに活用されそうだ。(霍見真一郎)

 〇四年七月に施行された特例法は、独身の成人で子どもがおらず、性別適合手術(性転換手術)をしているなどの条件を満たせば、戸籍の性別変更を認めている。

 しかし、〇七年末までに性別変更が認められたGID患者八百四十一人(最高裁判所速報値)に対し、国内で手術したのは二百二十人。多くは海外で手術している実態が今回の調査で浮かび上がった。

 調査対象は、岡山大や埼玉医大、大阪医大、関西医大など全国九つのジェンダークリニック。一人の患者が複数の機関で受診しているケースもある。

 心は男性で身体は女性の患者(FTM)は延べ三千六百六十六人。心は女性で身体は男性の患者(MTF)同二千六百六十一人より約千人多く、海外の実態とは逆の結果が出た。国内で手術したFTMは百六十四人と、MTF(五十六人)の約三倍だった。

 日本初の公的な性別適合手術を実施した埼玉医大の受診者は千二百人。MTFの四百三十人に対しFTMは七百七十人で、一対一・八の割合。性別適合手術をしたのは計百六人だった。

 中島委員長は「(診断と治療の)ガイドラインを作った責任として、実態を把握する必要があった」と説明。特例法に関しては、患者らから性別変更条件が厳しすぎるとの指摘も多く、法改正の議論などにも影響を及ぼすとみられる。

■こんなに多いとは 大島俊之・GID学会理事長の話 受診者がこんなに多いとは思わなかった。初めて実数が出たことに大きな意義がある。地方では専門医にかかれない人も大勢いると思われ、もっと多くの患者が潜在しているだろう。性別適合手術は大半が海外で受けており、国内でも手術できる拠点を増やす必要がある。
2008/4/22 神戸新聞
posted by てつ at 14:37| 富山 | TrackBack(0) | GIDニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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